Column

コラム

  1. HOME
  2. コラム
  3. 睡眠と住まいの関係 ― “よく眠れる家”をつくる秘訣は?

New

2025.12.09(火)

睡眠と住まいの関係 ― “よく眠れる家”をつくる秘訣は?

 

私たちが一日の約3分の1を過ごす「睡眠」。
眠りは日中のパフォーマンスだけでなく、心と体の健康、家族との時間の過ごし方にまで影響を与えます。
そして意外と知られていないのが、睡眠の質は「住まいの環境」によって大きく左右されるということです。
ここでは、質良く・快適に眠る環境を整えるための、住まいのポイントをわかりやすく解説します。
 

[ 目次 ]

  1. 「質の良い睡眠」とは?
  2. 睡眠不足が続くことのリスク
  3. 「よく眠れる住まい」4つの条件(光・音・室温・換気)
  4. まとめ / 睡眠の質は「;住まいづくり」で変えられる

 

1.「質の良い睡眠」とは?

 

睡眠とは、ただ長く眠れば良いというものではありません。

  • スムーズに眠りに入れる
  • 深い眠りがしっかり続く
  • 朝すっきりと目覚められる
  • 日中に眠気が残らない

これらの状態が揃っていれば、質の良い睡眠がとれたと言えるでしょう。

人は眠っている間に、身体の疲労回復、ホルモンの分泌、脳の情報整理など、多くのプロセスをこなしています。睡眠の質を上げることは、免疫力の向上、集中力のアップ、ストレス軽減など、日常のあらゆる場面でプラスに働きます。
特に子どもは大人よりも睡眠の影響を受けやすく、成長ホルモンの分泌にも大いに関係します。そのため、家族みんなが「ぐっすり眠れる環境」を整えることが大切なのです。

 

 

2. 睡眠不足が続くことのリスク

 

「なんとなく眠い」「朝起きるのがつらい」程度の睡眠不足でも、積み重なれば生活に大きな影響が出てしまいます。生活のリズムが乱れやすくなるのも、睡眠の質が大きく影響していると言えるでしょう。
慢性的な睡眠不足は日中のパフォーマンス低下だけでなく、メンタルの不調、がんや認知症のリスクを高めるとも考えられています。

在宅ワークが増えた今、家で過ごす時間が長くなったことで「睡眠と住環境」の関係はさらに注目されています。以下の章からは、よく眠れる住まいの条件を解説していきます。

 

3. 「よく眠れる住まい」4つの条件(光・音・室温・換気)

 

【1】 光/体内のリズムを整える

 

 

光は体内時計に直接作用する、重要な要素です。
就寝前はなるべく照明を落とし、朝は自然光をしっかり取り込むことで、体のリズムが整い、入眠・目覚めがスムーズになります。

 


住まいづくりのポイント


【間取り】
寝室の方角は朝日が入る東向きが理想的です。朝の光で自然に目が覚めるように、カーテンの隙間を少し開けておくのもおすすめです。自然光を取り入れるのが難しい場合は、タイマーで徐々に明るくなる照明を利用するのも良いでしょう。

 

【照明】
睡眠前に光源が直接目に入ると、脳が活性化してしまい寝つきの悪さの原因に。寝室の照明は直接光よりも、目に優しい間接照明や調光機能付きのライトがおすすめです。
柔らかな照明が心落ち着く空間を演出し、スムーズな入眠へと導きます。

 


 

 

【2】 音/程よい静けさでリラックス

 

 

道路を走る車の音、近隣の生活音などは、無意識に眠りを浅くしてしまうため対策が必要です。
ただし、室内を完全な無音状態にしてしまうのは、他のちょっとした音が目立ってしまい逆効果。エアコンなどの静かな環境音は他の音を和らげてくれるともいわれています。また、リラックスできる音楽を流すのもおすすめです。「自分が心地良く眠れる静けさ」を確保することを意識すると良いでしょう。

 


住まいづくりのポイント


【間取り】
寝室は騒音が入りやすい道路側や駐車場の近くを避け、家の奥側に配置することで、外部音の影響を大幅に軽減できます。また、隣にウォークインクローゼットや廊下などの緩衝スペースを設けることで、壁1枚よりもしっかり音を遮ることができます。
上下階の生活音が気になる場合は、寝室をリビングや水回りから離したり、階段の近くを避けることも効果的です。こうした間取りの工夫によって、日常の生活音や外部騒音を受けにくい、より静かな睡眠環境が整います。

 

【窓】
家の中で最も音が侵入しやすい開口部を整えることは、静かな寝室づくりにおいて有効です。
例えば、内窓をつけて窓を二重にした場合、うるさい交差点の騒音(80db)を図書館程度(40db)にまで抑えることができます。複層ガラスなどの遮音性に優れた窓ガラスを採用することもおすすめです。設備をすぐに整えることが難しい場合は、遮音性・吸音性の高いカーテンを採用するといった方法でも対策が可能です。

◆合わせて読みたい|コラム「窓を変えるだけで、暮らしが快適に!

 


 

【3】 室温/体に負担がかからない室温をキープ

 

 

睡眠に最適な室温の目安は、夏で25℃前後、冬なら16〜20℃程度。湿度は通年において50%前後が適切とされています。エアコンなどを活用し、朝まで快適な室温を保つことが大切です。
断熱性能の高い住まいであれば室温が安定し、冷暖房効率もアップ。一年を通して過ごしやすい室内環境になることで、結果的に睡眠にも良い影響を与えます。

 


住まいづくりのポイント


【エアコンなど、家電製品の活用】
質良く眠るためには、快適な室温をキープすることが大切です。そのため、エアコンはタイマーで切れる設定にはせず、朝まで運転し続けるのが良いでしょう。逆に、冬に電気毛布などを使う場合は、程よく温まった頃に電源がオフになるよう設定するのがおすすめです。体温が徐々に下がることで、スムーズに眠ることができます。

 

【断熱性能】
根本的に室温を安定させたい場合は、住まいの断熱性能を上げることが不可欠です。中でも手軽にできる対策としては、熱の出入りが多い窓の対策です。Low-E複層ガラスなどを採用することで、外気の影響を大幅に軽減できます。

 


 

【4】 換気/新鮮な空気を保つ工夫を

 

 

閉めっぱなしの部屋では、呼気などにより空気がこもってしまいます。室内の二酸化炭素濃度が高まると、中途覚醒を引き起こしやすくなると言われています。そのため、サーキュレーターなどの家電を活用するなど、換気を行う工夫や設備を取り入れることが大切です。
換気対策を行うことはホコリやダニなどのアレルゲン物質を吸い込むリスクの軽減にもなり、家族の健康を守ることに繋がります。

 


住まいづくりのポイント


【24時間換気システム】
24時間換気システムとは、家の中の空気を自動的に循環させて入れ替えてくれる設備のことで、2003年以降に建築された住宅には基本的に装備されています。きれいな空気を保つために、基本的には常時稼働させておき、定期的に給排気口の掃除を行いましょう。

 

4. まとめ / 睡眠の質は「住まいづくり」で変えられる

 

睡眠の質は、健康はもちろん、成長・集中力・ストレス耐性など、私たちの暮らしのあらゆる面に影響します。そして、その睡眠の質は、住まいの工夫によっても高めることができます。これから家づくりを始める方は、ぜひ「よく眠れる家」という視点も取り入れてみてください。

 

ワウハウスの分譲住宅はすべて、「断熱等級5」以上を取得しています。
快適性と省エネを両立し、将来先まで安心して暮らせる工夫がしっかり詰まった住まいを多数公開中です。
住まい選びに関するご相談も随時受け付けておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。